小児歯科

小児期から
しっかり予防を

乳歯や生えたばかりの永久歯は、大人の歯に比べると、デリケートな存在です。そのため一度虫歯になってしまうとすぐに進行してしまいます。また、乳歯の虫歯は永久歯に感染することがあるため、注意が必要です。
虫歯によってよく咬めなくなると、成長期に大切な栄養の吸収を妨げてしまい、歯を失ってしまうと、将来咬み合わせが乱れてしまう可能性が高まります。
お子様が健やかに成長できるよう、“お口の健康”をプレゼントしてあげましょう。

保護者の方に
知っていてほしいこと

Point01赤ちゃんのお口の中にむし歯はいない?

小さなお子様は自分でしっかりとしたお口のケアができないので、その歯を守ってあげるのは親御様の大切な役割です。
実は生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯の菌はいません。
周囲の大人とのふれ合いによって、赤ちゃんは虫歯菌に感染してしまうことがあります。

Point02赤ちゃんにむし歯菌を移してしまう行動とは?

赤ちゃんにむし歯菌を移すのを予防する一環として、気を付けていただきたいのが、虫歯菌が移る可能性のある以下のような行動です。

  • 口移しで食事を食べさせる
  • 大人と同じストローやコップを使う
  • 大人と同じ箸を使って食事を食べさせる
  • お口にキスをしたりする

Point03こんな食事のとり方は要注意!

通常お口の中は「中性」なのですが、飲食をすると「酸性」に傾き、歯質を溶かす「脱灰」が起こります。本来の口腔機能は徐々に中性に戻り、溶けだした歯を再石灰化しようとします。しかし、悪い食事の習慣を持っていると「酸性」の状態が続き、結果、虫歯は進行しやすくなってしまいます。
以下のような食事の習慣がある場合はお気を付けください。

  • 食事や間食の回数や量が多い
  • ゆっくりとだらだらと食べてしまう
  • 食事や間食のタイミング不規則
  • 飴などの口に残りやすいものを食べるのが好き
  • 甘いものを一日中飲んでしまう

当クリニックの
お口のメインテナンス

  • ブラッシング指導・フロス指導

    年齢や発達の段階、歯並びなど一人ひとりに合わせ、効果的な磨き方を指導します。また、歯と歯の間にも虫歯が発生しやすいため、フロス(歯間ブラシ)の使い方の指導も行っています。

  • フッ素塗布

    お子様の虫歯予防にフッ素塗布を行っています。また、ご家庭用フッ素洗口液、フッ素入りの歯磨き粉などもお勧めしています。

  • シーラント処置

    「シーラント」は、奥歯の深い溝をレジン(歯科用プラスチック)であらかじめふさぐ処置のことです。食べカスが入りにくくなので、虫歯の予防につながります。

  • 定期検査(3ヵ月毎)

    歯医者は歯が痛くなったら行くのではなく、痛くなる前に早期治療、予防にあたりましょう。そのために3ヵ月に一度の定期的な検査を受けることが重要です。

MFT(口腔筋機能療法)について

Point01MFT(口腔筋機能療法)とは

お口の構造や歯並びは生まれつきだけでなく、舌の癖や表情筋により変化します。
MFTとは舌の動きやお口まわりの筋肉バランスを整えるトレーニングのことで、正しい呼吸(鼻呼吸)に誘導し、お口だけでなく全身の健康を守ることにつなげていきます。
またMFTは食べ方や発音の改善にもつながり、口がぽかんと開いてしまう癖があるお子様はドライマウスにもなりやすいので、その抑制にも効果的です。
以下のような癖がお子さんにないでしょうか?

お子さんにこんな癖ありませんか

【食事について】
  • 食べるのが早い/遅い
  • よく噛まないで飲みこんでいる
  • 硬い食べ物を好まない
  • 口を閉じて食べられない
【普段の生活について】
  • 口呼吸をしている
  • いびきをかく
  • 常に鼻がつまっている
  • 集中力がない、落ち着きがない
  • 冷え症
  • クマがある
  • 下あごを前に出すクセがある
  • 猫背

上記のような癖が見えたら一度、当院へご来院ください。

なぜお口がぽかんとしてるといけないの?

「気がつくと口を開けていることが多い」「就寝時もお口を開けたままになっている」などの状態が続いている場合、お子さんは口呼吸になっているかもしれません。
口呼吸には主に3つのデメリットがあります。
1つ目は虫歯や歯周病リスクを高めることです。口呼吸は常にお口の中が乾燥するので、細菌が繁殖しやすくなります。
2つ目はアレルギーや風邪を発症しやすくなることです。口呼吸は鼻呼吸と異なり、鼻毛や線毛などのフィルターの役割を持つ機構が存在しません。
そのため、アレルギーの原因物質やウイルスなどが直接体内に入るリスクを高めます。
3つ目は顎の発育が不十分になる点です。常に口が開いた状態となると、舌を喉の奥に引き込む筋力を鍛えることができず、顎の成長が阻害されてしまいます。それによって、歯並びが悪くなったり、飲み込みや呼吸が正しくできないことで体の成長へまで影響が及ぶ可能性があります。
口腔筋機能療法(MFT)のトレーニングを行えば、お口まわりの筋力を維持・強化する効果が期待できます。結果的に口呼吸が改善し、体全体の健康もサポートしてくれるので、お子さんの口呼吸が気になる方はぜひご相談ください。

MFT(口腔筋機能療法)の
実際行う訓練

以下のような訓練を行っていきます。

訓練内容

  • お口まわりの筋肉を整える訓練
  • 嚥下(飲み込むこと)や咀嚼(噛むこと)の訓練
  • 舌や唇の位置を正しく保つ訓練

Point02MFT(口腔筋機能療法)で期待できること

  • 睡眠障害のリスクを軽減

    いびきをかいているようなお子様は、無呼吸症候群の可能性あります。正しい呼吸ができていないことや、舌の機能に問題がある場合であれば、MFTを行うことで、そのリスクを下げることができます。

  • 免疫力の向上

    口が開きっぱなしになると乾きやすくなる(ドライマウス)上、風邪物質などをそのまま体内へ取り込んでしまいます。上下の唇を閉じる筋力をつけることでそれを防ぎます。

  • 正しい姿勢のための基礎作り

    生活の中で何気なく取っている楽な姿勢が習慣化し、猫背などの悪い姿勢へつながる場合があります。猫背は舌の筋力が弱くなりやすい姿勢です。MFTで姿勢と口腔機能を一緒に改善していくことで、正しい姿勢を維持するための体作りを行えます。

  • 審美的な問題の改善

    口の筋肉がうまく整わなかったり、歯並びに影響のある舌の癖があったりすると、歯列の乱れへとつながります。MFTを行うことで、歯がきちんと並ぶあごへの成長を促します。

  • 発音の問題の改善

    口周りの筋肉や舌の動きが原因ではっきりとした発音がしづらい、正しい発音がしづらいなどと感じる場合が出てくるかもしれません。MFTを通して舌の動きの訓練を行い、解消していきましょう。

  • 咀嚼嚥下の問題の改善

    「うまく噛んだり、飲み込んだりができない」「食事をこぼしやすい」「空気を含んで飲み込んでしまい、すぐに満腹になってしまう」こういった食事の際の悩みも、MFTで改善できる場合があります。

Point03MFT(口腔筋機能療法)の流れ

  1. Step01

    検査

    歯科医院での検査・診断で、お口の周囲の筋肉の状態を調べます

  2. Step02

    診断

    治療が決まったら、手順・計画をご説明します。

  3. Step03

    通院

    通院にて、お口の筋肉の機能を向上させる運動を行っていきます。

  4. Step04

    自宅での練習

    通院のない期間はご自宅で、毎日繰り返して覚えていただきます。

  5. Step05

    繰り返し

    治療と検査を繰り返しながら、同時並行で治療の様子を確認していきます。

診療前の注意点

  • お子様自身の努力が必要ですが、周囲の大人の方も協力していただく体制が必要です。
  • ご家庭でのトレーニングが大切になります。トレーニングを怠ったり、継続できないと効果が出にくくなります。
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